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涌井 隆; 高岸 洋一*; 二川 正敏; 田邉 誠*
実験力学, 23(2), p.168 - 174, 2023/06
核破砕中性子源の水銀ターゲット容器において、陽子ビームが水銀に入射することにより、容器内面にキャビテーション損傷が生じる。気泡核の位置や衝撃圧力分布のばらつきを考慮して、モンテカルロ・シミュレーションを用いたキャビテーション損傷の予測方法を提案した。実験より得られたキャビテーション損傷の分布とシミュレーションより得られた積算ひずみの分布を比較し、ベイズ最適化を用いた逆解析により、衝撃圧力の分布を評価した。ガウス分布を仮定した最大衝撃圧力の平均値及び広がりはそれぞれ3.1GPa及び1.2mであった。シミュレーション結果は実験結果を再現しており、本評価手法が有効であると言える。
岩田 景子; 端 邦樹; 飛田 徹; 廣田 貴俊*; 高見澤 悠; 知見 康弘; 西山 裕孝
Proceedings of ASME 2021 Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2021) (Internet), 7 Pages, 2021/07
The crack arrest fracture toughness, K, values for highly-irradiated reactor pressure vessel (RPV) steels are estimated according to a linear relationship between crack arrest toughness reference temperature, T, and the temperature corresponding to a fixed arrest load, equal to 4 kN, T, obtained by instrumented Charpy impact test. The relationship between T derived from the instrumented Chrapy impact test and fracture toughness reference temperature, T, was expressed as an equation proposed in a previous report. The coefficients in the equation could be fine-tuned to obtain a better fitting curve using the present experimental data and previous K data. The K curve for RPV;A533B class1 steels irradiated up to 1.310 n/cm (E 1 MeV) was compared with a K curve defined in JEAC4206-2016. It was shown that the K curve was always lower than the 1%ile curve of K for these irradiated RPV steels. This result indicates that the conservativeness of the method defined in JEAC4206-2016 to evaluate K using K curve is confirmed for highly-irradiated RPV steels.
鈴木 環輝*; 大川 鉄平*; Harjo, S.; 佐々木 敏彦*
日本機械学会論文集(インターネット), 87(894), p.20-00377_1 - 20-00377_15, 2021/02
The residual stress state inside the cruciform welded joints were measured using the pulsed neutron stress measurement method. The points of interest in this study are the weld toe and its interior. We also compared the cases with and without ultrasonic impact treatment (UIT), which is expected as a fatigue strength improvement technology. Furthermore, the case where tensile stress or compressive stress was applied after UIT treatment was also examined. The applied stresses at this time were 75% or 85% of the yield point, respectively. From the above, we considered the cause of the change in the residual stress on the surface after UIT treatment, which was clarified in the preliminary experiment, in the early stage of fatigue. As a result, the load after the UIT treatment caused plastic deformation in a part of the inside, which caused the redistribution of residual stress.
小野 正人; 藤原 佑輔; 松本 哲郎*; 飯垣 和彦
日本原子力学会和文論文誌, 19(2), p.110 - 120, 2020/06
これまでの竜巻起因の飛来物に対する原子炉建家の健全性評価は、単純な形状の飛来物に対する経験式を用いて、飛来物の貫入、裏面剥離、貫通といった局所的な破壊モードを予測している。しかしながら、現実的には原子炉建家の周辺には排気筒等の複雑な形状の建物・構築物があり、それらが原子炉建家に衝突するおそれがあるものの、従来の評価式では複雑な形状の飛来物に対する評価は困難である。そこで本研究では、複雑な形状の飛来物の衝突を想定し、原子炉建家の健全性を評価する手法を検討した。
中村 詔司; 木村 敦; Hales, B. P.; 岩本 修; 芝原 雄司*; 上原 章寛*; 藤井 俊行*
JAEA-Conf 2018-001, p.199 - 203, 2018/12
ImPACTプロジェクトにおいて、長寿命核分裂生成物の中のCsについて、その中性子捕獲断面積測定をJ-PARCのMLF施設内に設置されているANNRI装置を用いて進めている。将来の測定のためにSeサンプルの整備可能性の検討と並行して、安定Se同位体核種について、それらの中性子捕獲断面積測定も進めている。本発表では、放射性Cs試料の整備とそれを用いた照射試験、安定Se同位体の断面積測定などについて報告する。
Hales, B. P.; 中村 詔司; 木村 敦; 岩本 修
JAEA-Conf 2017-001, p.199 - 203, 2018/01
As part of the ImPACT project, it is currently planned to measure the neutron cross-section of Cs (half-life y), a long-lived fission product (LLFP), via neutron time-of-flight (TOF) method at the Japan Proton Accelerator Research Complex (J-PARC). Both Cs (natural Cs, stable) and Cs (half-life y) are unavoidable contaminants in the Cs sample. In working towards the measurement of Cs, a measurement of non-radioactive Cs has been conducted. The neutron capture cross-section of Cs in the thermal to epithermal energy region was experimentally measured via neutron TOF method at J-PARC. Measured results show good agreement with JENDL in the energy region below 10 eV.
中村 詔司; 木村 敦; Hales, B. P.; 岩本 修; 津幡 靖宏; 松村 達郎; 芝原 雄司*; 上原 章寛*; 藤井 俊行*
JAEA-Conf 2017-001, p.15 - 22, 2018/01
高レベル放射性廃棄物にかかわる環境負荷低減技術の基礎データとして、長寿命放射性核種の中性子核データが求められている。革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)が平成26年10月より開始された。その事業の中の「核反応データ取得(Project 2)」で、原子力機構のプロジェクト研究として"J-PARC/MLF/ANNRIにおける中性子捕獲反応断面積測定研究"を開始した。本プロジェクト研究では、高レベル放射性廃棄物に含まれる長寿命核分裂生成核種(LLFP)のうち、Cs(半減期230万年)を選定し、中性子捕獲反応断面積を測定する。Csを測定する際には、試料中に化学的に分離できないCsが不純物として混在する可能性があり、Csのデータを精度よく測定するためには、不純物であるCsの寄与を分ける必要がある。このために、併せてCs等の同位体核種の中性子捕獲断面積データも測定する。また、試料の入手が困難なLLFP核種のうちSeについて、試料整備の可能性検討を行う。本発表では、ImPACT事業における本プロジェクト研究の開発計画の概要について、研究の目的、過去の報告データの現状、全体スケジュールと進捗などと併せて、現時点で得られている成果について発表する。
二川 正敏; 直江 崇*; 粉川 広行; 伊達 秀文*; 池田 裕二郎
JSME International Journal, Series A, 48(4), p.234 - 239, 2005/10
J-PARCに設置される核破砕パルス中性源には、ターゲット材として液体水銀を使用する。大強度陽子線入射時には、熱衝撃に伴う圧力波が水銀中に発生する。この圧力波の伝播過程で水銀中でキャビテーション気泡が生成し、気泡崩壊に伴う局所衝撃がターゲット容器の水銀接液界面に負荷する。本報では、液体水銀衝撃パルス負荷実験により形成したキャビテーション衝撃壊食痕、すなわちマイクロピット形状から局所衝撃力を評価した。さらに、気泡崩壊時に発生するマイクロジェット衝撃力を液球体による固/液界面の衝撃問題として数値解析を行い、実験結果と比較した。その結果、ピット半径と深さの比に着目すれば、マイクロジェット衝撃速度を推定できることがわかった。さらに、MW-classの水銀ターゲットでは気泡崩壊時に300m/s程度の衝撃負荷が発生することが推定された。
祖山 均*; 二川 正敏; 本間 加奈*
Journal of Nuclear Materials, 343(1-3), p.116 - 122, 2005/08
被引用回数:10 パーセンタイル:56.74(Materials Science, Multidisciplinary)キャビテーション衝撃により水銀ターゲット容器が受けるピッティング損傷の評価手法を提案した。ピッティング損傷の潜伏期間を評価することは、容器壁厚さが薄いことから重要である。本報では、そのための二つの評価法を提案している。一つは、壊食試験から得た質量減少の対数表示結果から見積もる方法、他方は、潜伏期の塑性変形領域の観察結果から見積もる方法である。
研究炉使用済燃料輸送容器構造検討グループ
JAERI-Review 2005-023, 133 Pages, 2005/07
原研では、2基のステンレス製研究炉使用済燃料輸送容器JRC-80Y-20Tを作製し、1981年から使用してきた。シリサイド燃料を輸送するために設計変更を米国原子力規制委員会(NRC)に申請したが、落下衝撃解析に用いたDavisの評価式がその適用範囲外であることを指摘され、2004年4月以降の容器使用が認められなかった。衝撃応答解析コードLS-DYNAを用いた計算結果を追加でNRCに提出したが、蓋のシール領域に塑性変形を示しており、依然として容器承認が取得できなかった。このような輸送容器の設計承認問題に対応するため、検討グループを6月末に設置した。同グループでは、まず既に実施した落下解析結果の妥当性検討として、入力データの妥当性検討及び感度解析を実施した。検討した範囲において落下解析がおおむね妥当であり、解析結果の見直しだけで容器承認をNRCから得ることはできないと結論付けた。
中道 勝*; 河村 弘
JAERI-Research 2005-015, 35 Pages, 2005/06
本報告書は、核融合炉ブランケットにおける電気絶縁材としてのAlO皮膜の電気及び機械的特性の中性子照射による影響を調べたものであり、ITERの工学設計活動(EDA)の成果の一部である。ステンレス鋼SUS316L(N)-IG母材上のAlO皮膜の密着力を向上させるため、母材と皮膜間に2種類のアンダーコーティングを施工した。タイプ1試料は80Ni-20Cr合金に厚さ50m、タイプ2試料は410ステンレス鋼(SS410)に厚さ150mアンダーコーティング施工を行った。そして、AlO皮膜を最上コートとして厚さ200及び500m施工した。これらの試料を、JMTRにおいて150C及び250Cで310/m(E1MeV)まで照射した。衝撃エネルギ14kJ/mで30000回まで衝撃を与えた機械的衝撃試験において、両タイプ試料のAlO皮膜は健全、かつ、電気抵抗は150C及び250Cで110以上であり、本皮膜の性能はITER設計条件を越えるものであった。ITER設計値の200MPaを越える300MPaまでの圧縮試験においても、AlO皮膜の剥がれは観察されなかった。以上の結果により、両皮膜とも機械的衝撃及び圧縮に対して十分な抵抗性を有し、ITER設計基準を満足することを明らかにした。
鬼沢 邦雄; 鈴木 雅秀
JSME International Journal, Series A, 47(3), p.479 - 485, 2004/07
原子炉圧力容器の構造健全性評価では、シャルピー衝撃試験から得られる延性脆性遷移温度の中性子照射によるシフトが、破壊靭性のシフトと等しいと仮定している。このため、破壊靭性とシャルピー遷移温度との相関を確立する必要がある。本研究では、6種類の原子炉圧力容器用のASTM A533B-1鋼及び溶接金属について、ASTM規格に導入されたマスターカーブ法を適用して破壊靭性を評価した。中性子照射試験は、JMTRにおいて、予き裂シャルピー破壊靱性試験片及び標準シャルピー衝撃試験片に対して実施した。マスターカーブ法に基づく破壊靭性参照温度とシャルピー遷移温度に対する中性子照射効果を評価した。試験片寸法効果に関して、シャルピー型試験片と大型試験片との比較も行った。破壊靭性参照温度の中性子照射によるシフトとシャルピー衝撃試験の遷移温度シフトとの相関を確立するとともに、照射後の最適な破壊靭性試験温度及び下限破壊靭性の評価に関する検討を行った。
江坂 文孝; 渡部 和男; 小野寺 貴史; 田口 拓志; 間柄 正明; 臼田 重和
Spectrochimica Acta, Part B, 58(12), p.2145 - 2155, 2003/12
被引用回数:20 パーセンタイル:62.39(Spectroscopy)全反射蛍光X線分析法によるエアロゾル粒子の元素分析の感度向上のために、粒子の直接捕集及び分析のための直径25mmのシリコンウェハー試料台を作成した。その試料台を用いた際の元素の検出限界は、従来より用いられているガラス状炭素及び石英ガラス試料台よりも、X線散乱によるバックグラウンドを抑えられたことにより優れていた。このシリコンウェハー試料台を用いてエアロゾル試料(粒子径: 2.0m, 0.3-2.0m, 0.05-0.3m)を1月から8月まで茨城で捕集し分析した。その際、セレンを内標準物質としてそれぞれの試料に加えた。結果として、ng/cm-pg/cmの濃度の粒子中の元素を検出することができた。実験結果から、K, V, Zn, Br, Pbの各元素は粒子径の小さい粒子に多く存在し、人為起源であることが推定された。一方、Ca, Ti, Feは、粒子径の大きな粒子に多く存在した。これは、土壌によるものと推定された。発表では、測定期間中の元素組成の変化についても議論する。
二川 正敏; 直江 崇; 粉川 広行; Tsai, C.-C.*; 池田 裕二郎
Journal of Nuclear Science and Technology, 40(11), p.895 - 904, 2003/11
被引用回数:51 パーセンタイル:94.08(Nuclear Science & Technology)MW-クラスの核破砕中性子源の開発が世界的に行われており、冷却材とターゲット材を兼ねた液体水銀の利用が提案・開発されている。水銀ターゲットには陽子ビーム入射時に瞬時熱膨張に起因する圧力波が発生する。その伝播過程で水銀/容器壁界面近傍にキャビテーションが生じ、容器壁面にピッティング損傷が形成される。容器構造健全性の観点から、ピッティング損傷の形成挙動を評価することが肝要である。そこで、圧力波を水銀中に与えるために、電磁力を応用した衝撃試験機(MIMTM: Magnetic IMpact Testing Machine)を新たに開発し、1千万回を超える負荷回数領域の損傷形成挙動を調べた。その結果、損傷形成挙動がマイクロピット塑性変形支配領域である潜伏期と質量減少が顕著となる安定期に大別でき、安定期の質量減少を予測しうる実験式を導出した。
二川 正敏; 粉川 広行; 石倉 修一*; 工藤 久明*; 祖山 均*
Journal de Physique, IV, 110, p.583 - 588, 2003/09
高出力核破砕中性子源として開発が進められている液体水銀ターゲットには、陽子線入射時に生じる圧力波の伝播過程でキャビテーションが発生する。キャビテーションが壁面近傍で発生すれば、容器壁面はマイクロ衝撃による壊食損傷を受ける。損傷低減には、容器壁面の表面硬化処理が期待される。そこで、SHPB衝撃負荷装置により、ターゲット内で生じると予測される圧縮波相当を水銀中に入射し、CrN,TiN被覆処理材及び浸炭処理Kol材について損傷評価実験を行った。その結果、損傷の程度は、局所衝撃荷重に対応した硬度と良い相関を示した。
二川 正敏; 粉川 広行; Tsai, C.-C.*; 石倉 修一*; 池田 裕二郎
JAERI-Research 2003-005, 70 Pages, 2003/03
世界的にMWクラスの核破砕中性子源ターゲットの開発が行われている。陽子ビーム入射時に核破砕に伴う瞬時発熱により水銀中に圧力波が発生する。圧力波の伝播過程で構造/液体水銀界面で負圧が生じ、キャビテーションの発生・崩壊によるピッチング損傷が容器構造体内壁に形成されると考えられる。ピッチング損傷はターゲット容器の寿命支配因子となることから、その発生条件,損傷形態,程度を評価し、設計に反映することが必要である。そこで、ピッチング損傷に関する2種類のOFF-LINE実験;ホプキンソン棒衝撃負荷実験(SHPB),電磁力衝撃負荷実験(MIMTM)、を実施した。1000万回に及ぶ衝撃負荷後の損傷形態に関するデータをMIMTMにより取得した。さらに、古典的音響振動法により得られた平均壊食深さの結果と比較した。その結果、壊食挙動は、一定の質量減少率を示す定常状態と定常状態に至るまでの潜伏期に大別でき、定常状態における質量減少は規格化統一線図により整理され、潜伏期間は材料特性,負荷圧力の大きさにより決定されることを明らかにした。
二川 正敏; 粉川 広行; 日野 竜太郎; 伊達 秀文*; 武石 洋征*
International Journal of Impact Engineering, 28(2), p.123 - 135, 2003/02
核破砕液体水銀ターゲットでは、陽子線ターゲット入射時の発熱現象に伴う熱膨張により圧力波が生じる。液体/固体金属界面における圧力波(液体中)から応力波(固体金属中)への動的伝播挙動は複雑な連成問題となる。液体/固体金属の音響インピーダンスの差異から、圧力波の伝播過程で液/固体界面では巨視的あるいは微視的な不連続変動に伴った負圧が生じる。したがって、液体界面ではいわゆるキャビテーションが生じ易い条件が成立し、キャビテーション崩壊に伴う衝撃波やマイクロジェットによる固体界面の損傷が懸念される。そこで、Split-Hopkinson-Pressure-Bar(SHPB)原理に基づく衝撃負荷装置により、平面歪み波を水銀中に入射させることで液体/固体金属界面に急速変動を与えて、界面における応力波/圧力波変換挙動及び壊食損傷について4種類の金属材料に対して検討した。その結果、損傷の程度は材料の硬さに対応し、硬度の増加に伴い損傷の程度は低下すること、壊食痕周囲に発達したすべり線分布から局所的に動的降伏応力を越える圧力が作用したことがわかった。
小山 智史*; 二川 正敏; 粉川 広行; 石倉 修一*
日本機械学会関東支部茨城講演会(2002)講演論文集, p.5 - 6, 2002/09
水銀ターゲットにおけるピッチング損傷に対する抑制効果として、表面硬化処理技術がある。コーチング(CrN, TiN)及び浸炭法による表面硬化処理(Kolsterising)を施した試料に対して、Split-Hopkinson-Pressure-Bar(SHPB)衝撃原理に基づく平面歪み波入射実験を行い、硬化処理による抑制効果を調べた。その結果、材料表面硬度とピッチング損傷との相関は認められたが、硬化層厚さを適度に選択することが重要であることがわかった。そのためには、ピット深さを定量的に評価し、より効果的な硬化層厚さを決定することが重要である。
河内 哲哉; 加道 雅孝; 田中 桃子; 佐々木 明; 長谷川 登; Kilpio, A.*; 難波 慎一; 永島 圭介; Lu, P.; 高橋 謙次郎; et al.
Physical Review A, 66(3), p.033815_1 - 033815_7, 2002/09
被引用回数:85 パーセンタイル:93.03(Optics)銀及び錫のスラブターゲットに線集光したCPAガラスレーザー光(時間幅4ピコ秒のプリパルスと加熱パルス。パルス間隔1.2ナノ秒)を照射した。本実験ではレーザーの集光光学系に階段ミラーを導入することにより励起光を疑似進行波とし、それにより波長13.9nmと12.0nmの過渡励起電子衝突レーザーにおいて飽和増幅を達成した。利得係数は銀レーザーで35 [1/cm],錫レーザーで30[1/cm]であった。入力エネルギーは各々12J及び14Jであり、小型励起光源を用いた過渡励起電子衝突レーザーとしては最短波長での飽和増幅である。実験的に評価した飽和強度と理論計算による予測との比較から、X線レーザーの線幅としてイオン温度に起因する不均一拡がりと、レーザー準位の衝突励起脱励起に起因する衝突拡がりの両方が、ニッケル様イオンレーザーの場合には重要であることを見い出した。流体コードと衝突輻射モデルを組み合わせた計算に、この線幅の効果を取り入れることにより、実験的に観測されたレーザー線利得の発生位置及びその利得係数の大きさをほぼ再現することができた。
伊達 秀文*; 二川 正敏; 石倉 修一*
実験力学, 2(2), p.103 - 108, 2002/06
核破砕中性子源として液体水銀の適用が計画されている。陽子入射時に生じる瞬時発熱により、液体水銀には圧力波が生じることから、ターゲット容器の健全性確保には液体水銀の動的特性に基づく固/液体連成挙動の評価が重要である。液体水銀と固体金属との衝突現象について、水銀液滴と固体壁面との衝突現象を高速度カメラで捕らえると共に、衝撃弾性棒を用いた衝撃力の計測を行った。衝突時の水銀液滴の変形は、衝撃速度と衝突壁面粗さに依存した挙動を示した。また、衝撃パルスの持続時間を衝撃体の音速と形状係数で無次元化した衝撃持続時間は、衝突速度及び液滴サイズに依存せず一定値を示すことを実験的に確認した。この関係から水銀液滴衝撃により降伏応力を越える臨界衝撃速度は、316ssの場合約5m/sと見積もられた。この値は水の場合の約1/20であり、液体水銀ターゲット容器が衝撃壊食損傷を受ける可能性を示唆した。